君がいなくなって
「じゃあ、また」


夕方になり、繁華街で別れようとした時。



それは起こった。



「あら、お久しぶり〜」



お義父さんに声をかけてきたのはどこかの高級クラブのママっぽいけど。



顔立ちからして。



間違いない。



「…お前」



お義父さんは絶句した。



「ひょっとして、総一?」



その女性は艶やかな目でそーちゃんを見つめた。



そーちゃんは。

いつも以上に冷静に。

その人を見つめていた。
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