君がいなくなって
「あら」

そーちゃんの横にいる私を見てその女性はクスッ、と笑った。

お腹をじっと見つめられる。

嫌な目つきだ…



「何、してんの?
こんな所で?」

冷ややかにお義父さんは言った。

「ここの、クラブのママなの」

そこは。

この辺りの繁華街で。

一番有名なお店だった。



「立ち話も何だから、寄っていきなさいよ」

立ち寄るのが当たり前のように言う。

少し高慢な態度にムカつきを覚える。



そーちゃんは。

本当に冷めた目で。

自分の本当の母親を見つめていた。
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