君がいなくなって
クラブ内の個室に通された。

なんとも居心地が悪くて。

早く帰りたい。



「出て行くのは勝手だけど」

お義父さんは少し怒り気味で話しはじめた。

「総一が今までどんなに辛い思いをしてきたかわかるか?」

お母さん、いや、今はクラブのママと呼ぶのが妥当か。

ママはタバコをふかした。



「そりゃ、悪いとは思ってるわよ。
でも、好きになったら仕方ないじゃない?」



その発言…

かなりヒイタ。



「じゃあなんで。
総一を産んだの?」

「それはあなたが私を拾ってくれたからよ。
それがなければ」

ママはそーちゃんを見た。

「堕ろしていたわよ」



…私は。

一刻も早くここから出たかった。

平気でこういう事を言える人がいるんだ…
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