君がいなくなって
「柏原くんも可哀相よね。
こんな、浮気性な人と付き合っていたんだから」



勝ち誇った顔をした高槻さん。

私は歯を食いしばった。



「…同級生?」

そう言うそーちゃんの顔を見つめる。

また氷のように冷たい目をしている。

私は頷くと

「…拓海はもう死んだ。
いつまでも引きずるよりはこうやって新しい人生を歩む方がいいと思うんだけど、お嬢さん」



最後のお嬢さんという言葉。

お子様、と言いたいんだろうな。

そーちゃんの事だから。
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