君がいなくなって
こんな場所でどうかと思うけど。

サーキットは割と歩く事が多いのでいい運動になる。

みんな忙しそうなので。

ちょっと探険に出掛けた。



「あれ?そーちゃんの奥さん?」

しばらく歩いていて声を掛けてきたのは池田さんだった。

「こんにちは」

私は頭を下げる。

「またお腹が大きくなったよね」

嬉しそうに池田さんは私のお腹を見つめた。

「そーちゃんがパパになるって今だに信じられないけどね」

聞けば。

クールな印象の強いそーちゃんが恋愛するなんて信じられないらしい。

いや、恋愛せずにいきなり結婚だったのですが。

と言いかけて、止めた。

「どこに行くの?」

「探検です。
サーキットってまだそんなに来たことがなくて、わからない事が多いから」

池田さんは、なんだー、と言って

「少し時間があるから案内してあげるよ」
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