【短編】黒板に、その2文字を
「俺も───────」
君のせいで、そんなことをつぶやいてしまった。
好きだから、冷たくして、可能性なんて言葉を期待させないようにした。
彼女にも、もちろん1番には自分に。
ダメだから。
絶対に。
「……先生、知ってる?私って手相見れるんだよ」
「知らないしどうでもいい」
お願いだから。
可愛いと思わせないでくれ。
「先生はね、もう運命の人に会ってるよ。吉田っていう苗字の子。とっても可愛い子だよ」
「あ?評価−10もらいたいのか」
お願いだから。
これ以上、好きだと思わせないでくれ。