【短編】黒板に、その2文字を
「とっても…嬉しいです」
「…フッ…なんだそれ」
「あっ……」
やってしまった。
あんまり素直に話す彼女に思わず笑ってしまった。
見せないって、決めたのに。
「…先生が笑ったっ!」
「笑ってねー」
そんな嬉しそうにはしゃぐなよ。
「笑ったよ!笑った!やっと向けてくれたっ!」
「めんどくせーな、お前」
ぴょんぴょん跳ねる彼女にそう言うと、彼女は
「そうだよ!めんどくさいよ!だから、早く好きになった方がいいよ!」なんて言う。
本当、人の気も知らないで。
「今回のテストまじでいい点数とって、さっさと卒業してくれ」
「ひどー!そんなに私と会いたくないわけ?」
そういって叫ぶ彼女を教室に置いて、廊下に向かう。
「そーかもなー」
「うぅー!それでも好きだもんねっ!」
本当バカ。