【短編】黒板に、その2文字を
「吉田、終わったかー?」
────────っ?!?!?!
「ま、、まだですっ!!」
先生の声がして、私は慌てて書いていた2つの文字を消した。
「……何遊んでんの」
呆れたようにこちらを見る先生。
あぁ。
好かれたいと思って、引き受けたのに。
これじゃあ余計嫌われちゃったかも。
「ごめんなさい」
「俺も」
「え?」
ボソッと何か言った先生に聞き返す。
「職員会議、早く終わったから。俺もやる」
「あ、あぁ。どうぞどうぞ」
私はそう言って、向かいの席へ手のひらを伸ばして両手を出した。