幻奏少女

いつものように、執事と変わらぬ言葉を交わし、朝食を受け取る。

勝手にスプーンを握った朔羅から、さっき笑われた仕返しも兼ねて、それを取り上げた。


「?」

「ねぇ、僕と朔羅っていつ会ったの? 朔羅はどこから来たの?」

唐突に、だけどしっかり問いかける。


少し驚いた顔をしながら、

「言ったって、信じてくれるわけない」

そう返されて、僕は彼女に近づいた。


「そんなの、聞いてみないと判んないじゃん」


勝手に朝食を取られないよう、彼女の両手首を掴む。


「教えて? そうしないと、朝食あげない」

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