幻奏少女
「第六感?」
首を傾げて自信なさげに答えると、何だそれ、と、朔羅はわざとらしくため息をついた。
確かに、第六感、なんて、曖昧であやふやで儚いものだけど。
……けど、朔羅は、信用してもいい気がする。
考えた末に、ゆっくり言葉を紡いだ。
「だって朔羅は、本当は優しいんでしょ? 両親が好きだったから、殺したひとを赦せないのに、僕は本人か判らないから、今もまだ殺さないでくれてるんでしょ?」
そんなふうに考えられる、あんたの方が優しいんじゃない。
彼女はそう言って、ばかみたい、と笑った。
「アタシは、最低だよ」
それは、鮮やかな嘲笑。