罪な男


「澪ってさ、案外俺のこと好きだったりして。」



シャワーを浴びた先輩は 自分の髪の毛を拭きながら冗談っぽく私に言った。


「何バカな事言ってるんですか。
早く服着てください。」


「バカな事って酷いなー。

これでも割と真剣に聞いてるんだけど。
ねぇ、澪 どうなの?」


先輩の望むようなことは言わないよ。


先輩とくっつきたいとか、そういう事を望んでいた事もあったけど。


この前偶然見た 先輩の婚約者である女の人。


美人で優しそうで 先輩の事幸せにしてくれるようなそんな人。



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