罪な男


しばらく無言の状態が続く。


無理だ。言えない。



「目 瞑って。」


先輩は静かに目を閉じる。

私は先輩の唇に触れるだけのキスをした。


できるだけ気持ちの伝わるように、

優しく。



「これでいいでしょ?」


先輩は目を静かに開ける。


「何のこと?」


そしてキョトンとした顔でそんな事を言う。


伝わってないじゃん!



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