罪な男


カシャン


「え。今 撮った?」


「あ。ごめん。つい。」


いつの間にか 勝手にシャッターを切っていた。


あまにりも カメラを手にする澪の横顔が綺麗だったから。


でも 澪と俺はまともに喋ったことがない。


やばい、絶対変な奴と思われた!!


「はは、別に謝らなくていいよ。

一回喋ってみたかったし。」



え!?


冷たい態度であしらわれるのかと思ってた。


笑顔でそう言われ拍子抜け。


「俺 人の表情とか撮るの好きで。

これからもアンタの事 たまーに撮ってていい?」


「名前 大輔だっけ?

別にいーよ。撮られる側も興味あったし。
はは。あんた大学では友達1号だよ。」


澪との会話したのはこれが初めてだ。






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