傷だらけのシンデレラ


『 佐藤 優介 』

今わたしの目の前にいる男。

ゆいさんに誘われてきた飲み会。
決して合コンみたいなノリではなく、むしろ女子の方が多かった。
はっきり言って、第1印象は“ チャラい" だった。
なんせ、仕事が押して1時間遅れで飲み会に参加したわたしの目の前にヤツは座っていて、酔っているのか左隣の女の子と連絡先を交換していた。
(なんだこいつ、手が早いなあ)
なんて思いながらも、職業柄出てしまう
営業スマイルで軽く自己紹介をした。
「こんばんわ〜。初めまして。遅れちゃってすいません!平田真希です!」
みんな結構飲んで出来上がっているようで
少しハイテンションなノリで挨拶を返された。
「真希ちゃんね〜〜!よろしくぅ!!」
「お、なに飲む?!俺注いでくるよ!」
気前が良い居酒屋の店長のように話しかけてくれる。
「じゃあ、とりあえず生で!」
そう言うと、すぐにドリンクを作りに行ってくれた。
ここの居酒屋は食べ飲み放題だが、自分でドリンクバーでドリンクを作るシステムだった。まあ、生はジョッキを置くだけで機会が注いでくれるだけだけど。
「お待たせ〜!じゃあ、真希ちゃんも揃ったとこだし...」
『乾杯〜〜!!』
そうして、わたしはジョッキを勢いよくゴクゴクと音を立てて味わう。仕事終わりの酒ほど美味しいものはない。わたしは20歳にして、思い知ってしまった。

そんな感じで、わたしはヤツとの出会いが始まったのだ。

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