君から最後の恋文 〜love-letter~


母さんの綺麗な無機質な字でそう書かれてあった。

その隣には数枚のお札。


俺の家は共働きで、両親ともあまり家には帰ってこない。

帰ってきたとしても、勉強はどうだ?だもんな…


「ふっ」

自虐的に笑うと虚しく広い部屋に響いた。


レンジで温めたご飯を1人で食べながら
棚に飾ってある、1枚の写真を見つめた。



写真立ての中で母さんと父さんの手を取って無邪気に笑っている、小さな俺。



家族写真なんて、ないに等しかった。

< 24 / 226 >

この作品をシェア

pagetop