君から最後の恋文 〜love-letter~
母さんの綺麗な無機質な字でそう書かれてあった。
その隣には数枚のお札。
俺の家は共働きで、両親ともあまり家には帰ってこない。
帰ってきたとしても、勉強はどうだ?だもんな…
「ふっ」
自虐的に笑うと虚しく広い部屋に響いた。
レンジで温めたご飯を1人で食べながら
棚に飾ってある、1枚の写真を見つめた。
写真立ての中で母さんと父さんの手を取って無邪気に笑っている、小さな俺。
家族写真なんて、ないに等しかった。