君から最後の恋文 〜love-letter~
そんな時に、出会ったんだ。
『あの、これ落としましたけど』
優しい風が吹く5月の中頃。
通学路の途中で、淡いピンクのハンカチを落とした綺麗な女の子に。
『えっ、あ……ありがとうっ』
彼女の笑顔は、人を惹きつけて魅了させるそんな笑顔だと思った。
花が、咲いたと思ったんだ。
『君、1年生?』
俺は何故かその子に話しかけていて自分でもびっくりしてしまった。
あの日から、人と関わるのが怖かったから。
『お前は必要ない』
そう言われるのが、怖かった。