ナ~スなカノジョ☆彡
佳史のSRXはハイサイドを起こ

し、横へ滑りガードレールへ突っ

込んでいった。佳史は転がり対向

車に巻き込まれ、そのクルマの後

ろからパタパタっと出てきたとき

には、両足があらぬ方を向いてい

た。


「ヤッちまった・・・」


佳史にとって、初めてのバイク事

故。

佳史は悲しかった。

自分の不甲斐無さに心が挫けた。

対向車の後ろを走っていたツーリ

ング途中の若者数名が、救急車の

手配と佳史の世話をしてくれた。

佳史は背負っていたリュックを背

もたれにして、道路へ仰向けに寝

転んでいた。少し前を走っていた

哲真は先に頂上に着いていたが、

佳史がなかなか来ないことを不安

に思い、慌てて峠を下り始めた。

そこで見たのは、ボロボロになっ

たトレーナーとジーンズを纏った

親友の姿だった。哲真は一瞬、背

筋に冷たい風がすり抜けるような

感覚を覚えた。

< 9 / 25 >

この作品をシェア

pagetop