リアル☆タイムスリップ
---確か、この辺り……---
屯所からずっと北東に進み、正宗はある店を探していた。
『何を探しておる?』
「枡屋っていう古道具屋だよ」
『古高か』
「神社は古道具と所縁はあるし、出入りしてもおかしくないだろ」
歩きながら、つくづく家が神社で良かったと思う。
袴でも動きに違和感はないし、下駄や草鞋でも不自由はない。
地の利もあるので迷うこともない。
前もって知識があるというのは楽なものだ。
難なく枡屋を見つけ、正面切って入ろうとして思い止まる。
言葉の知識はない。
隊士と喋るときは、さほど気にならないが、やはり細かいところに不安はあるので、もっぱら寡黙な奴で通している。
神社関係者として話を聞こうにも、宮司や禰宜は、どういう言葉遣いをしていたのだろう。
この時代、寺はよく聞くが、考えてみれば神社はあまり聞かない。
---けど、いなかったわけではないだろう。別に変な目で見られないし---
それとももしかして、単に袴だから、その辺の侍と同化しているだけだろうか、と不安になる。
---と、とりあえず、また出直そうかな---
ここでしくじって古高 俊太郎捕縛が失敗したらどうなるのだろう、とちらりと思う。
正宗の行動が必然なのだとしたら、知っている史実と違うことが起こるのも必然なのか。
明らかに変わる場合はどうなるのだろう。
考えれば考えるほど深みに嵌る。
やってみたい誘惑と、やっぱり歴史を壊すことへの恐怖がせめぎ合う。
頭が痛くなり、正宗はふらりと踵を返した。
屯所からずっと北東に進み、正宗はある店を探していた。
『何を探しておる?』
「枡屋っていう古道具屋だよ」
『古高か』
「神社は古道具と所縁はあるし、出入りしてもおかしくないだろ」
歩きながら、つくづく家が神社で良かったと思う。
袴でも動きに違和感はないし、下駄や草鞋でも不自由はない。
地の利もあるので迷うこともない。
前もって知識があるというのは楽なものだ。
難なく枡屋を見つけ、正面切って入ろうとして思い止まる。
言葉の知識はない。
隊士と喋るときは、さほど気にならないが、やはり細かいところに不安はあるので、もっぱら寡黙な奴で通している。
神社関係者として話を聞こうにも、宮司や禰宜は、どういう言葉遣いをしていたのだろう。
この時代、寺はよく聞くが、考えてみれば神社はあまり聞かない。
---けど、いなかったわけではないだろう。別に変な目で見られないし---
それとももしかして、単に袴だから、その辺の侍と同化しているだけだろうか、と不安になる。
---と、とりあえず、また出直そうかな---
ここでしくじって古高 俊太郎捕縛が失敗したらどうなるのだろう、とちらりと思う。
正宗の行動が必然なのだとしたら、知っている史実と違うことが起こるのも必然なのか。
明らかに変わる場合はどうなるのだろう。
考えれば考えるほど深みに嵌る。
やってみたい誘惑と、やっぱり歴史を壊すことへの恐怖がせめぎ合う。
頭が痛くなり、正宗はふらりと踵を返した。