リアル☆タイムスリップ
第一章
京都駅に降り立った途端、う、と正宗は固まった。
明らかに空気が違う。
千年魔都とは伊達ではないのだ。
正宗のような者には、京の地はキツイ。
「でも何度か来てるけど、こんな辛くはなかったと思うな」
若干ふらつく足取りで、正宗は目的の神社を目指した。
道中も、異形のものがやたらと目に付く。
『うほほ、何じゃこれは。やけに空気が澱んでおるのぅ』
バスの上のほうでふよふよ浮きながら、蛍丸がきょろきょろする。
普通の人には見えないからといって、やりたい放題だ。
が、正宗は蛍丸を連れて来て(持ってきて?)良かったと思う。
蛍丸は氷之神神社のご神刀だが、祭ってあるところは本殿ではなく裏手の小さな祠だ。
そこにご神刀があることなど、氏子であっても、ほぼ知られていない。
人の形を取って姿を現すところといい、刀自体の力が強すぎる。
ほぼ妖刀だ。
あまり人目に曝すのもよろしくないので、祠にほぼ封印しているというわけなのだ。
もっとも人型を取って、しょっちゅうぶらぶらしているので、封印ともいえないが。
正宗は兄や父と違って、蛍丸の気に中てられることがなかったので、今や蛍丸の管理は正宗の仕事になっている。
小さいときからずっと、このお喋りな刀と一緒にいたので、変に信頼関係が出来上がっているのだ。
『おい正宗。顔色が悪いぞ? 大丈夫かの』
「う、うん。何とか」
とりあえず歩けないほどではない。
目的の神社前でバスを降り、正宗はよろよろと転がるように社務所に入った。
明らかに空気が違う。
千年魔都とは伊達ではないのだ。
正宗のような者には、京の地はキツイ。
「でも何度か来てるけど、こんな辛くはなかったと思うな」
若干ふらつく足取りで、正宗は目的の神社を目指した。
道中も、異形のものがやたらと目に付く。
『うほほ、何じゃこれは。やけに空気が澱んでおるのぅ』
バスの上のほうでふよふよ浮きながら、蛍丸がきょろきょろする。
普通の人には見えないからといって、やりたい放題だ。
が、正宗は蛍丸を連れて来て(持ってきて?)良かったと思う。
蛍丸は氷之神神社のご神刀だが、祭ってあるところは本殿ではなく裏手の小さな祠だ。
そこにご神刀があることなど、氏子であっても、ほぼ知られていない。
人の形を取って姿を現すところといい、刀自体の力が強すぎる。
ほぼ妖刀だ。
あまり人目に曝すのもよろしくないので、祠にほぼ封印しているというわけなのだ。
もっとも人型を取って、しょっちゅうぶらぶらしているので、封印ともいえないが。
正宗は兄や父と違って、蛍丸の気に中てられることがなかったので、今や蛍丸の管理は正宗の仕事になっている。
小さいときからずっと、このお喋りな刀と一緒にいたので、変に信頼関係が出来上がっているのだ。
『おい正宗。顔色が悪いぞ? 大丈夫かの』
「う、うん。何とか」
とりあえず歩けないほどではない。
目的の神社前でバスを降り、正宗はよろよろと転がるように社務所に入った。