リアル☆タイムスリップ
第七章
さわ、と風に頬を撫でられ、正宗は目を開けた。
高い天井が目に入る。
ぼんやりとそれを見つめ、ゆるゆると視線を動かすと、開いた障子からよく手入れされた庭が見渡せた。
『おっ。気付いたか』
いきなり視界に、ぬっと蛍丸が現れる。
「蛍丸……」
呟き、正宗はそろそろと起き上がった。
着ているものは、いつもの袴。
特に汚れもない。
「ここは……?」
きょろきょろと周りを見ていると、廊下を歩いてくる足音がした。
「あ、気が付かれました?」
顔を覗かせたのは、宮司の妻だ。
「ごめんなさいねぇ。経堂の上は普段閉め切ってるから空気が籠ってて。温度が下がるまでに時間がかかっちゃってね」
言いつつ、妻は持ってきたスポーツドリンクのペットボトルを差し出した。
「さ、しっかり飲んで、水分補給ね」
「あ、ありがとうございます」
確かに何だか喉が渇いている。
受け取ったペットボトルのキャップを開け、口を付ける。
経口補水液というだけあり、渇いた身体が生き返るようだ。
「あの……」
落ち着かない様子で正宗が言うと、妻は、ああ、と呟き、にこりと笑った。
高い天井が目に入る。
ぼんやりとそれを見つめ、ゆるゆると視線を動かすと、開いた障子からよく手入れされた庭が見渡せた。
『おっ。気付いたか』
いきなり視界に、ぬっと蛍丸が現れる。
「蛍丸……」
呟き、正宗はそろそろと起き上がった。
着ているものは、いつもの袴。
特に汚れもない。
「ここは……?」
きょろきょろと周りを見ていると、廊下を歩いてくる足音がした。
「あ、気が付かれました?」
顔を覗かせたのは、宮司の妻だ。
「ごめんなさいねぇ。経堂の上は普段閉め切ってるから空気が籠ってて。温度が下がるまでに時間がかかっちゃってね」
言いつつ、妻は持ってきたスポーツドリンクのペットボトルを差し出した。
「さ、しっかり飲んで、水分補給ね」
「あ、ありがとうございます」
確かに何だか喉が渇いている。
受け取ったペットボトルのキャップを開け、口を付ける。
経口補水液というだけあり、渇いた身体が生き返るようだ。
「あの……」
落ち着かない様子で正宗が言うと、妻は、ああ、と呟き、にこりと笑った。