甘え下手を治すには溺愛を
17.千紗:設定
「裕はなんの仕事してる……の?」
かろうじて敬語を回避すると、クククッって笑われた。
だって…。
あまりの格差を感じて…。
なんていうか心の余裕の格差というか…。
その余裕っぷりが憎たらしいんだけどさ。
「だから、どこの誰でどんな奴だか分からない方が甘えやすいって。
年上で甘えられなくて年下の方がいいってなったらどーすんの?」
「………え?
そこ変更可能!?」
そうだった。忘れてた。
25歳って思い込んでたけど、それって私が設定した年齢だった。
「そりゃもちろん。
なんなりとお申し付け下さい。」
かしこまってお辞儀した裕に笑えてしまう。
「もう25歳以外に見えないよー。
でもそっか。
年下ってどんな感じか体験してみたいかも。」
「彼氏はいくつなの?」
「23歳。私が21歳だから年上だよ。」
「なんだよ。
甘えられない彼氏と同じ年上にしても意味ないんじゃね?
年下にしてみる?」
う…。そんな簡単に裕は年下なんて思えないよ。
チラッと様子を伺うと、いたずらっぽい笑みを浮かべた。
……なんだか嫌な予感がする。
「ねぇ。千紗ちゃん。
俺、疲れちゃったマッサージして?」
間髪を入れずに膝に頭を乗せられた。
頭…頭…。どうしよう!