甘え下手を治すには溺愛を
22.裕:メール
千紗と会わずに2日が過ぎた。
忙しい日々を過ごしているのに、ふと気づけば千紗のことを考える。
手元に置いておきたいペット的な存在だよな。
触れ合うと癒されるっていうさ。
携帯を見ても向こうからは何も連絡がない。
まぁ千紗は連絡出来なさそうだけど。
甘やかす…かぁ。
ってことは俺からメールするべきだよな。
『千紗が可愛くてすぐに会いたくなる。
千紗は違うのか?』
………書いてみて、キモッとつぶやく。
『千紗からメールないぞ。
甘え講習だろ。
可愛く『会いたい』ってメールして来いよ。』
こんなもんかな。
でも…な。
もう一度、書き直して送信ボタンを押した。
千紗との関係に心が疼いた。
「ねぇ。どうしてメールの返事くれないの?」
顔を上げれば玖美が仁王立ちしている。
「俺、忙しいし。
会えないし連絡もできないって言ったろ。」
玖美の方を見もせずにそれだけ言うと席を立つ。
「どこ行くのよ!」
「便所。」
こんな奴といたいわけじゃない。
心がザワザワして嫌な気分だった。
その時、ブーッとポケットの携帯が騒いだ。
手に取り、確認する。
「ハハッ。千紗らしいや。」