甘え下手を治すには溺愛を
24.裕:返事
千紗らしい返事。
一言だけ。
『同じ気持ちです。』
ハハッ。なんだよ。
俺は長いの送ったのに。
こんなのご機嫌取りか、はたまたとりあえずそう言っとけ!って送ったとも思えるメールだ。
素直に喜べない裕一は、自分の送った内容を確認しようとスクロールして気づいた。
まだメールは続いていた。
『お邪魔しまーすは私もしたいです。
裕は温かくて私は自然体でいられる気がします。
不思議な人ですね。』
ったく。なんだよ。
文章カチコチだぞ。
文句ばかり浮かぶのに口元は柔らかく緩んでしまう。
急いで返事を送った。
『まぁ合格かな。
ほっぺにチューもするから覚悟しとけよ。』
もう昼休みも終わる。
返事はないだろうな。
そう思っていた裕の携帯がブーッブーッとまた音を立てた。
内容を確認して目を丸くする。
『お昼休み終わっちゃうのでもう返事は書けません!
私はアメリカ人ではありません。』
プッ。あははっ。
なんだよ。これ。
声を出して笑えばすれ違う人に怪訝そうにジロジロ見られる。
それさえも気にしてられない。
「仁木がそんなに笑うなんて珍しいな。」
前から歩いてきた人にまでつっこまれる始末。
でも。うん。やっぱり千紗って可愛い。