甘え下手を治すには溺愛を
48.裕:カフェに集まった人
3時少し前にカフェに行くと千紗が来ていた。
早めに来るのが千紗らしいと思えて微笑んでしまう。
千紗がこちらに気づくと不安そうな瞳を向けられた。
「あの……どういうことかな……?」
「うん。もう少し待って。
嫌な思いをさせちゃうと思うけど……。
ごめんね。俺、千紗が……。」
好きだよ。大事だよ。
そんな言葉が口から出ることはなかった。
後から来た奴が視界に入ったから。
「仁木くん!どうしたの?
こんなところに……ってこの女、誰?」
俺と同じテーブルに座る千紗を怪訝そうな顔で見ている。
あと1人………。
あぁ…やっと来た。
みんなより少しだけ遅く来た人物に安堵する。
今日はまぁ遅れなかった方だ。