【対談】桜雛×キャラ
「へぇー、桜雛が…ねぇ…。」



蒼が意外…というような声で言う。



「何なん?人のこと『酒豪』みたいな扱いは…、坂下氏と一緒にせんといて。」



「坂下先生か…。

僕、一度でいいからあの人潰してみたかったんですよ!」



「坂下邸で酔いつぶれたアンタじゃ、無理だろ。」



「じゃあ、僕と桜雛でタッグ組めば…。」



蒼の言葉に、私はかぶりを振る。



「ヒトクセもフタクセもある男はゴマンとおるけど、奴の場合は『無くてナナクセ』やぞ。」



「無くて七癖…?」



「その“癖”と違うわい!

クセ者って意味で言っとるんやぞ。」



「あぁ、納得…。」



私がふぅーっと息を吐き出すと、マスターがワインをついでくれた。



「それにしても、群れることが嫌いな桜雛に連れがいるなんて…珍しいな。

あ、もしかして彼氏か?」



マスターの言葉に、私は驚いた。



「蒼が?

そりゃあ…連れて歩くには、いいアクセサリーだけどね。」



私がそう言い終わった時、店のドアが開いた。



電話の客たちが来たようで、マスターが対応に追われる。



「酷いな、桜雛。」



そう言った蒼は、軽くグラスを掲げてワインを口にした。



さすがイイとこのお坊っちゃんなだけあって、グラスを傾ける姿はサマになっていた。




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