【対談】桜雛×キャラ
「まさか、こんなところで桜雛さんに会うとは思わなかったです。
書道に興味があるなんて意外でした。」


「んな訳無いやん。
アタシの興味はコッチ!」


そう言いながら、私はコンサートが行われる多目的ホールを指した。


ポスターに書いてあった打楽器奏者の名前が視界に入ったのか、若菜が「なぁんだ…」って言いたげな表情になる。


ちょっとだけ、高校生の頃の若菜が垣間見れた。


「少し前から桜雛さんが変わったという噂、耳にしましたけど…。
あれってホントに噂だったんですね、何だか安心しました。」


若菜が妙なことを言うので、気になった。


「噂?」


「桜雛さんが小説の執筆しなくなったとか、ある日突然若い男性とコンサートに来たと思ったらそれ以来コンサートにあまり行かなくなったとか…。」


ソレ、噂じゃなくて…。


「事実やんけ。」


「えっ?桜雛さん、どうしちゃったんですか!?」


若菜はかなりビックリしてるようだが、若菜の動揺っぷりに私がビックリだ。


別にどうかしたとかいう訳では無いので、返事に困る。


さて、そろそろ開場だな。


「若菜は、また書道展に戻るんか?」


「今日はもう、挨拶まわりおしまいです。」


「そうなんだ。
じゃあ、私はそろそろ中に入るけど…?」


「たまにはクラシック聴いてみるのも良いかな…。」


意外なことに、若菜がついてきた。



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