シュガーとワルツは踊らない♡ドキドキ同居生活♡
そんなこんなで私はまだ、クラスメイトの名前と顔を全員一致で把握は出来ていないのだった。
でも、皆口に出さないだけで私だけじゃないと思う。
多分、いや、絶対。
そんな私の心を読んだのか、いちるは
「いや、まぁ分からなくはないけどねー。
ーー特に砂藤くんに関しては」
そう呟いて、噂の彼 “砂藤くん”が座る窓際へと視線を向けた。
私も釣られて視線を向ける。
カーテンから覗く春の陽射しが教室を柔く明るくさせる。
その陽射しを一番受けているだろうと言っても良い砂藤くんの席だけどーー
「何か今日も暗いね?」
「だね」
砂藤くん自体がそれに相反するかの様に暗いのだった。
いや、別に極端にいつも俯いているとかそう言う訳でもなく授業でも当てられたらちゃんと答える。
私は話した事は無いけど、話し掛けても、多分おどおどはしないんだろうし案外普通に話せるんだろうけど
友達って呼べる関係の人がこのクラスにはいないのか彼は見る限りいつも一人だった。
所謂、地味なタイプの人って感じ。