シュガーとワルツは踊らない♡ドキドキ同居生活♡
「ち、ちなみにうちの母は契約の際、なんて言っていたんですか?」
「女性スタッフ希望ですがどうしてもスタッフの空きが無い場合は男性スタッフでも可、と契約書類の備考欄に...」
「そう、ですか」
おいコラお母さんーっ!
お母さんがそんな書き方してたんじゃますます強く出れないじゃない!
そもそも、その書き方だとこの人どころか会社自体悪くないじゃん!
きちんと依頼者であるお母さんの要望は通してるんだし!
あああああもうっ!
どこが安心なのよ! お母さんの嘘吐き!
私に何の相談もなく、さっさと決めて契約してしまったお母さんがちょっと、いや、今はだいぶ憎らしい。
私が渋い顔をしていたのか、男の人は宥める様に声を掛けてきた。
「普通はトラブルがあると困るから派遣スタッフは同性にする様にしてるんです。
今回は依頼も急だったから、お母さんも琴梨さんを一人にするのが本当に心配だったんだと思うからあまりお母さんを責めないであげて」
「っ」
思った事が全て見透かされていて。
恥ずかしくなった私は唇を噛み締めて頷く。