シュガーとワルツは踊らない♡ドキドキ同居生活♡
「ほら、鞄」
「有り難う」
玄関で靴を履き、手渡された鞄を受け取る。
「体操服は? 今日体育あるって言ってなかった?」
「あ、そうだ! そうそう体育!」
すっかり忘れていた。
「お母さんお願い!
私の机の横に袋が掛かってるから...」
「何、お母さんが取りに行けって?」
「ごめんなさい 急いでるんだもん!」
ローファーでぴょんぴょん足踏みをする私を見て、はぁっとこれ見よがしな溜め息を吐くと
「全く本当に手が掛かる子なんだから。
本当に一人暮らしなんて出来んのかしら」
そうぶつぶつ呟いて私の部屋へと消えて行ったのだった。
...手の掛かる子って。
そりゃあ、おっちょこちょいだし
朝だってお母さんに起こして貰わないと起きれない位には
この歳、17歳にして手の掛かる子供だと自負してるけどっ!
それよりも今、何て?
私が一人暮らしとか何とか言ってなかった?
そりゃあ大学生になって地方に出て一人暮らしとかなら分かるけど
私まだ高校二年生になったばっかだし
そもそも、うちの高校は近くに付属の大学があってエスカレーター受験出来るから外部を受けて地元を出る予定なんて無いし。