シュガーとワルツは踊らない♡ドキドキ同居生活♡
ほーんと何言ってんだろ、お母さん。
私が一人暮らしなんて出来る訳無いし、ただの聞き間違いだよね。
くすっと笑みが漏れた時、
「ほら、琴梨 体操服!」
私の部屋から体操服の入った袋を持ったお母さんが、ぱたぱたと廊下を駆けて来た。
「お母さん 有り難う!」
袋を受け取り、鞄の中に半ば強引に捩じ込む。
我ながら なんて強引なんだろう。
さぁ、時間が無い。 急がないと。
「行って来まーす!」
「気を付けるのよ」
「分かってるってば」
元気良く玄関の扉を開けようとドアノブを回した矢先、
「行ってらっしゃい!
今日から三ヶ月、家の事 頼んだわよ!」
背後から掛けられたその言葉に
「はぁあああ⁉︎ どう言う事⁉︎」
急いでいる事もすっかり忘れて私は思いっきり顰めた表情で振り返ったのだった。