テトラポットの上、ふたりぼっち。
『モモ?』
「なんやー?」
夜、洸との電話中。
『モモはさ、この島から誰かがいなくなることとか考えたことあるか?』
「………」
いきなり何を言い出すんだ、この男は。
誰かがいなくなる?
もうすぐ、いなくなるじゃない。
『モモ?』
「ん?あぁ、この島から誰かがいなくなることを考えたことあるかやったっけ。」
『せや』
「うーーん、あらへんなぁ。
やって、まだ大学受験まで2年あるし。」
『だよなぁ』
「いきなりそんな話してどうしたん?
頭でも打ったん?」
『失礼なやつやなぁ。
なんか、最近不安でならんねん。』
「はぁ?」
不安?なんだ、それ
乙女か!
恋する乙女か!
「なんが不安なん?なんも不安なことなんてなかろうに」
『そうなんやけどな』
「はっきりしーや」
『不安の原因が俺にも分からんのや
夢で、出てくるねん、俺らが3人になっとる夢。』
「3人?あたしらいつも4人やろが」
『やからおかしいんや。
なんで、3人なのか、誰が、おらんのか。』