テトラポットの上、ふたりぼっち。
「ま、一生に一度の''青春''を楽しむのもいいんじゃないかしら?」
「お母さん…っ」
「寧くん、いい子ね。」
「そうだね、太陽だね」
「太陽?」
「明るいでしょ、」
「そうね」
ねぇ、行きたくて行きたくて堪らなくて
でも行けないとわかったからどう断ろうかと思ってた。
だって、こんなのお父さんにバレたら…
「あ、今日お父さんは帰ってこないから大丈夫。気にしないで楽しんでおいで」
「お母さん…」
さすがお母さん。
考えてることが顔に出てたのかもしれないけど。
「さ、浴衣来ちゃいましょうか」
「ゆ、浴衣!?」
そういってニコニコと浴衣の準備を始めたお母さん。
てかいつの間にそんなの用意したの…
・
1時間後。
何故か突如帰ってきた理髪師のお兄ちゃんに髪を結ってもらいた。
「なぁ、桃子」
「なんや」
「お父さんのこと、一人で任せてごめんな」