テトラポットの上、ふたりぼっち。
ひとりで泣かれるよりずっといい。
結局私たちは食べたいものを全部買い込んで、最後にお花屋さんにも寄って海まで来ていた。
「行こうか、」
「せやな…」
「何年振りやろ。
あいつ、笑っとるやろか?」
「笑っとるんちゃうんか、わからんけど」
「四人で来たかったな」
「あの二人はデートやろ」
「邪魔する気はない。」
「”は”?」
「からかう気はある」
「なんやそれ」
そう笑ってみるも、ぎここちのない雰囲気が漂う。
「流すかあ」
「おう」
私の腕に抱かれていた小さな花束。
ゆっくりと海に流す。
手を、合わせて。
目を閉じる。
そうして、あの日永遠に姿を消した君を想う