テトラポットの上、ふたりぼっち。


「朝っぱらから元気やのう」


「「どこが!!」」


「おーおー、息ぴったりやん。

朝から夫婦漫才お疲れ様やな」


そういって喉でくつくつ笑っているのは洸。



「って、時間!!もうチャイム鳴ってまうやん!」


「ほんとだ」

「さるのせいや」

「とりあえず、走らな!!」

「せやな」



***



なんとか1限には間に合ったものの、SHRの教室に寧と二人で慌ただしく入っていくことになってしまった。



それを見た先生は何やら黒板に書くと、みんなを見ていった。



「夏休み明けの海祭(うみさい)の実行委員、これでいいな」



その言葉に顔をあげると



”結城桃子”


”芦沢寧”



「「はぁ!?」」


「なんでや!なんでこんなさるとやらなあかんねん!!」



「こんな巨人とひと夏過ごすなんて嫌やっ!」



「はぁ?それはこっちのセリフや!」


< 5 / 39 >

この作品をシェア

pagetop