世界が終わるその時に。
リョウside


なぜだかとても胸騒ぎがする。
どうしてだろう。
僕、リョウは外を見る。雨が降っていた。

(なんだ。雨か。)

小さくため息をつく。
幼馴染のホシノには
「ため息をつくと幸せが逃げて行くんだよ。」
と昔からよく言われていたものだ。
そんなもので幸せが逃げるくらいなら皆幸せじゃないと、ホシノを打倒するとホシノ静かに笑ったものだ。

雨の日は魔力が弱まるという。
もっとも、僕も魔力を持っているからそれが分かる。

僕の家は『デスト』と呼ばれる国内でも有数の魔力を誇っている。
父はデストの血をひいていない。
母が婿養子に父をとったからだ。
昔から、デストはデスト同士で結婚し子どもを産むことで魔力を維持してきた。
だからか、僕は母に比べて魔力の量が圧倒的に少なかった。
ホシノもデストの血をひいている。
ホシノの親は有能な魔法使いだった。
魔力は国内でもトップで沢山の人に信用されていた。
だが、国と国との対立のより命を狙われた。
もちろん、その血を継ぐホシノもだ。
僕は昔からホシノを守るものとして母に教育を受けさせられ、
今もホシノを守っている。
例えホシノを守る途中で死んでしまうリスクがあっても。僕が大人になっても、ずっとずっと続いて行くのだろうと僕は推測している。
ホシノはこのことを知らない。
むしろ知らない方がいい。
もし知ってしまったら
優しいホシノは僕をとめるだろうから。

そろそろ行くか。
僕は立ちあがって、歩き出す。
守るべきもののところへ向かうために…
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