花の色は 移りにけりな いたづらに

「それに…?」

「私は昨日、暁臣さんに除名願をお渡ししました。
もう久遠流には関係ありません」


俯いて呟いた。


「ああ、これのことかい?」


暁臣さんは懐から昨日渡した除名願を取り出し…


ビリッ


破いた…


「なっ!?

どうして…」


「家元に提出はしていないよ?

当たり前でしょう?

こんなものこれからの道に必要ありませんから」



そう言って、笑った…

その場に立ち尽くすしかなかった。

「さあ、準備をして?今日は貴女を迎えに来たんです。とりあえず、身の回りのものだけで構わないよ?

家元にもちゃんと話してあるので安心してください」

「…どんな説明をしたんですか…」


ここまでくると、自己中を通り越して、人格破綻。
怒りよりもあきれが上をいく。


「ふふ、それは秘密です」



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