花の色は 移りにけりな いたづらに
芽吹き
「私は黙って拉致・監禁なんてされません」
このままでは本当に拉致・監禁されそうだったので、私は一筋縄ではいかないということをしっかりと訴えなければ!
「どうしてですか?
手の届くところに置いておかないと、変な虫がついてしまいます。ちゃんとお世話をするためには、寝食を共にしないと」
もの凄いことをさらりと…
「…とにかく、私はここを引き払ったりしません!
一ノ瀬教授のことは…同じ職場なので難しいと…」
「貴女はまだそんなことを…
マンションのことは多目にみますが、一ノ瀬の件は妥協できません」
暁臣さんの真っ直ぐに私を見る視線から目を逸らせない。
「貴女はもそろそろ気づいている頃です…
もう潮時だと…」