花の色は 移りにけりな いたづらに


この人は…。

この人は何て怖い人…。




「っ!…はい」



「クスクス…いい子ですね」


昔から私のことを『いい子』と言いながら髪を撫でる。

そんな『いい子』が謀反を起こしたと知って、どんな気持ちになったんだろう…



「そういえば、先程ですが桜芳の携帯が鳴っていましたよ」


「え?」


「誰からでしょうね、かなり長い間鳴っていましたが…」


「っ!?」




思わずベッドから飛び起きた。


教授からだったらまずいわ!!
携帯!携帯どこ?!



「…東宮 深桜…」



う?!


振り返ると、体を起こし気だるそうに手元に視線を落とす暁臣さんが。
そしてその手元には、私の携帯。



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