花の色は 移りにけりな いたづらに


「あ、あ、暁臣さん…?」


笑っている…
笑っていますよ、このお方…


こ、怖い!!


「ん?

で、東宮 深桜さんはどなたでしょう?
お友だちのようではありますが、もちろん女性でしょう?

おや、LINEもきているようですよ?」



ちょ、ちょっと待って。
何で暁臣さん、普通に私の携帯を…


「えっと、暁臣さん…

どうして私の携帯のロックを解除できるのでしょう?」


「ああ、桜芳のことで俺の知らないことはありませんよ」



キラキラの笑顔でそんなこと言われても…
そんな笑顔、生徒さんたちがみたら倒れてお稽古になりませんよ…


「そうでしたね…忘れていました
もちろん、女友達です」

「深桜さん…桜芳の仲の良いお友達ですね
しかし、俺の知っている深桜さんとは名字が違うようですが」


はて…と首をかしげる暁臣さん。


「最近、結婚したんですよ」



半分呆れながらクローゼットから適当に見繕って身につける。


「あ、もうすぐ着くと連絡がきていますよ?」


「え?どこにですか?」


「ここにです

あっ!何着替えているんですか!」


へ~ここに…

ここに…

ここ?!?!


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