花の色は 移りにけりな いたづらに
「……そんなこと」
「ああいう男は外堀から固めていこうってタイプなのよ」
仕組まれていた?
なぜ?
なんのために?
「桜芳、あなたはとても素敵よ?女の私から見てもね
昔からあなたの周りにいるととてもふわふわした空気に包まれるの」
「深桜…?」
「だから、あなたの周りには良くも悪くも、たくさんの人がいたわ…男女問わずね
御堂の御曹司はそれが気に入らなかったのよ」
暁臣さんが私の友だちを気に入らない?
なぜ?
「『桜芳は自分のもの』そう思ってるのよ
だから『自分だけが側にいればいい』ってなるわけ
…ここまでわかる?」
にこりと微笑む深桜。
こくりと頷く。
「愛されてるわね桜芳」