花の色は 移りにけりな いたづらに
嬉しい…
涙が溢れてしまうくらいに嬉しい…
自分は暁臣さんの愛を裏切っておいて、嬉しいだなんて、もう昔のようには戻れないのに…
「そうね…
私も愛してるわ」
深桜は嬉しそうに笑っている。
でもね、深桜…
もう遅いのよ…
長雨にうたれてあっという間に散ってしまう桜のように
私の心も散ってしまったの…
それでも、この心のなかで燻っているものが芽吹いてもいいと言ってくれるのならば…
私はまた向かい合おうと思う…
愛する人と…