カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。
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その日は午前中から、この間出来なかった品出しをやり切った。
可愛らしい雑貨類がたくさん。この間見つけたピアスもそうだけれど、クローバーが多いように思う。
やっぱり、お店の名前に合わせているのかな。
「そこです。それをダブルクリックしてもらって……」
まだランチタイム前。
パソコンが置かれたテーブルで、サラリーマン風の男性が何かしていた。パソコンに慣れていないらしく、瞬くんがそばで教えていた。
「今ですよ、今!!」
瞬くんが叫んだかと思うと、それまで黙って聞いていた男性客がガッツポーズをする。
「伝説の剣ゲット!」
ゲームかよ。
パソコンで仕事してるのかと思ったじゃない。男性客もそれが目的だったみたいで、しきりにお礼を言っていた。
瞬くんは一礼して別の仕事に戻る。
ランチタイムはもうすぐ。食事をするお客さんが増えてくるはず。
店内に人が増えてきた。それがわかっているのか、中にいた夏彦さんもホールに出てきた。