カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。
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その日も仕事は午後三時まで。同じように不動産屋さんに足を運び、来月には新しい情報が出るからと言われてしまった。
情報更新がすぐにわかるアプリがあると教えてもらい、すぐにインストールしようと思ったんだけど。
スマホを店のロッカーに忘れたことに気づいて、わたしはまたはぴねすのドアを開ける。
すでに午後五時を過ぎていた。
事務所や更衣室には誰もいないらしく、みんなフロアにいるみたいだ。そういえば遅番のスタッフを知らない。
挨拶、するべきなのかな。した方がいいよね。
「あれ? 麗さん?」
目の前には今来たばかりらしい三条陽希くん。高校から直接来たのか、学生服のまま。
笑顔が何とも癒される顔。若いって素晴らしい。
「なんか、久しぶり」
「はい! シフト違うからなかなか会えないですね。でも、いずれ遅番もやるんですよね?」
「その辺はまだ決まってないというか……夏彦さんに聞いてない」