カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。
「大丈夫。落ち着いて」
ランチがくるまで店の様子を何気なく見る。恥ずかしすぎて誤魔化しているとも言うけれど。
わたしと同じように食事をしに来ている人もたくさんいて、よく見てみれば満席。
ランチメニューなのか、ナポリタンを食べている人が多い。
カフェというより喫茶店っぽい雰囲気かもしれない。
ああ、でも。
さっきの店員さんの雰囲気が喫茶店ぽいからそう思ったのかもしれない。
奥のカウンター席では、店員と楽しそうに喋る常連らしき男性の姿。その笑顔から、いい店だってすぐにわかる。
香ばしい珈琲の香りはそのカウンターの方からしているみたい。
レジすぐ近くの階段を上がると雑貨類を売っているらしく、たくさんの品物が階下からでも少し見える。