カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。
告白の前にスイーツデートをしたいと陽希くんは言う。何とも最近の子は進んでるなぁと感心してしまう。
「瞬くんにバレるよ?」
「それは大丈夫です」
「……そうなんだ」
それにしても、友達という話はどこへやら。なぜ好きな人を連れてくることになったんだろう。
「陽希くんの好きな人、わたしも見られるかな。少し楽しみ」
わたしはそう言って立ち上がる。
急に思い出したけれど、ゴミを裏のダストボックスという名の物置に運ぶのを忘れていた。
時間がなくて纏めただけで、事務所前に放置していたんだ。これ見られたら、屋島さんに一生会えない気がする。
「じゃあ、わたし帰るね」
「はい、お疲れ様です!」