カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。
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ここは農協市場。緊張感漂うドライブを終えて連れてこられたのは様々な野菜が並ぶ市場だった。
カフェ雑貨はぴねすでは時々、この市場で野菜を仕入れている。しかも自分たちで運ぶのだから、安いと屋島さんが説明してくれた。
そこに並ぶお店で屋島さんが何やら話をしていたかと思うと、お店の方が大きな箱を持ってきてくれる。それをわたしは車に積み込む。
雑用……みたいに感じるのは気のせい? 屋島さんはさっきから力仕事を一切していないのは、絶対に気のせいじゃないと思うけど。
爽やかに汗もかかずに会話している屋島さん。わたしは汗だくなのに。
納得がいかない。
「麗、次はこの箱だ」
屋島さんは眼鏡を押し上げながら睨んでくる。指示が終わると、目の前にいるおじさんと話し始めた。
クソ樹め、覚えてろよ。
確かにわたしはまだ新人だけど、この扱いは酷いんじゃないの?
目の前にある箱に手をかける。持ってきた台車に乗せようとして、重さでバランスを崩してしまう。