カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。
後日。
一週間以内に来て欲しいと言われてから、三日目。ようやく重い腰を上げることに成功した。
というのも、カフェ雑貨はぴねすの方に一応履歴書が欲しいという夏彦さんのメッセージを受け取ったからで。
その、ついでに会社の方を何とかしようと思っただけ。
だが早速、会社で通行パスが通らないという洗礼を受ける。
退職願を出したその日に、わたしはよそ者になったようだ。
けたたましいブザー音に注目を浴び、すぐに警備の方に回る。
惨めな気分はまだ続く。
事務の方で書類を書かされ、冷たい声で説明を受け、おまけに自分の部署に顔を出して荷物を片付けろという命令。
同僚や先輩たちには冷めた目で見られ、部長は完全無視。
立場上、何も言えないのはわかっていたけれど、不倫をしておきながら許される部長には少し腹が立った。
切ない。泣きそう。
そんな散々な一日だった。