カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。
落ち着いてエレベーターに乗り、一階まで来る。運良く誰もいなくて助かった。
夏彦さんはここに住んでるんだもん。変な噂でもたったら、わたしの責任だ。
そうだ。だから、早く戻らなきゃ。
でも思った以上に自動販売機がたくさん。どれを買おうか、こんな時に優柔不断を発動してしまった。
珈琲はさっき飲んだし、ミルク系は飲みたくない。それに欲しいものがあると言ってしまった以上、水というわけにはいかない。
わたしは散々迷った挙句、自販機限定という言葉に惹かれてメロンソーダを買う。
そのまますぐにエレベーターに乗り込んだ。
とにかく夏彦さんと話をしなきゃ。もやもやした気持ちのまま過ごすわけにはいかない!
気合いを入れて夏彦さんの部屋の前に立つ。
インターホンを鳴らすと、すぐに夏彦さんがドアを開けてくれた。