カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。

働きましょう



   ◇


 思えば日曜日に部長とデートしたのをきっかけに、月曜日に奥さんに責められ仕事を辞めた。
 昨日の火曜日に会社で冷たい扱いをされながら片付けて社宅を出た。


 一週間の半分があまりにも濃い毎日で、さすがに参りそう。


 でも、会社を辞めたお陰でカフェ雑貨はぴねすに出会った。夏彦さんに求められて、働くことが決まった。


 マンションに連れてこられた一件も、濃い内容ではある。


 だけど悪くない一週間の始まりだと思えるようになってきた。


 そして社宅を出てちょうど一週間後。
 六月後半の火曜日。わたしはカフェ雑貨はぴねすに初出勤だ。

 初日ということで時間は昼十一時から三時まで。夏彦さんが気を遣ってくれた。



「さて、行きますか!」



 夏彦さんや瞬くん、陽希くんなど知った仲間はいる。でも、働くとなるとやっぱり緊張する。


 それでも心の奥底ではわくわくしている。仕事に対してこんなふうに思うのは初めてかもしれない。

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