カップほどの小さな幸せだとしても、店長が隣に居てくれるなら。

「麗ちゃん、可愛い」



 ストレートに夏彦さんに言われて、照れないはずがない。
 どう反応したらいいか迷っていると、夏彦さんは瞬くんの方を向いた。



「とにかく麗ちゃんに説明あるから、塩谷くんフロアを頼む」

「りょーかいです!」



 当たり前のことだけれど、カフェ雑貨はぴねすに入ると、夏彦さんは仕事モードになっていて緊張してしまう。



「これがはぴねすの制服」



 袋に入ったそれを受け取る。
 白い襟付きシャツは同じようなものなら個人的に買って着用しても大丈夫だそう。
 グレーのパンツと短めな黒エプロンは指定されたこの制服にして欲しいとのこと。


 制服の着方や、レジ、メニューからシフト関係のことまで一通りマニュアルというものを見ながら聞く。

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